
みなさんこんにちは。
今日は前回に引き続き糖質についてのお話です。
前回の記事をまだご覧になってない方はぜひこちらから読んでみてください.
はじめに
「糖質無くして筋トレ無し」の記事より,糖質の重要性がわかるかと思います.
そのような糖質は糖質であればなんでもいいのでしょうか?
今回は糖質の選び方についてまとめていきたいと思います.
炭水化物 = 糖質 + 食物繊維
三大栄養素とは「炭水化物・タンパク質・脂質」となっており,炭水化物
(Carbohydrates)の中に糖質が含まれています.
炭水化物は主に白米,芋,パンなどに多く含まれ,私達は炭水化物を摂取することでエネルギー源である糖質を身体に補給しています.
ちなみに,糖質に似た言葉で糖類があります.
糖質 ≒ 糖類という関係が成り立ち,糖質は単糖類,二糖類,多糖類の総称であり,
その内の単糖類と多糖類の総称が糖類と言われます.
単糖類は,ブドウ糖(グルコース)や果糖(フルクトース)などがあり,
二糖類はショ糖(スクロース)や乳糖(フルクトース)などがあります.
多糖類ではデンプン,グリコーゲンが有名かと思います.
また,二糖類や多糖類は,十二指腸にて単糖類に分解され,小腸で吸収されます.
その後,肝臓に運ばれますが,必要に応じ,
血液中に送り出されて筋肉や脳などでエネルギー源として消費されていきます.
余剰分のブドウ糖(グルコース)は肝臓にてグリコーゲンとして蓄えられます.
そして,肝臓のグリコーゲン貯蔵量にも限度があり,
その限度を越えると余剰分のブドウ糖(グルコース)は中性脂肪となり,身体に貯蔵されていきます.
健康に良い炭水化物?健康に悪い炭水化物?
カリフォルニア大学ロサンゼルス校
(University of California, Los Angeles ;UCLA)の
助教授であり医師である津川友介氏の著書
「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」の中で,
“健康に良い炭水化物”と“健康に悪い炭水化物”といった表現があります.
ここでいう“健康に良い炭水化物”とは精製されていない炭水化物のことを指し,
食物繊維やミネラルを豊富に含む炭水化物のことです.
具体的には,玄米,全粒粉,そば粉,オート麦などが挙げられ,
“茶色い炭水化物”との表現もなされています.
“健康に悪い炭水化物”とは精製されている炭水化物を指します.
柔らかくて食べやすいですが,精製課程で食物繊維などが取り除かれている炭水化物となります.
具体的には,白米,小麦粉(パン,パスタ,うどん,ラーメンなど)が挙げられ,
“白い炭水化物”との表現もなされています.
また,“健康に良い炭水化物”は,死亡率を下げ,心筋梗塞,脳卒中,糖尿病などを予防
してくれるとZongらのメタアナリシスを引用しながら述べられています.
ちなみに,日本糖尿病協会が監修している資料によると,食物繊維は食後血糖値の上昇
を抑え,満腹感の増加と持続をするとされています.
このことからも,食物繊維を多く含む“身体に良い炭水化物”の良さがわかります.
以上より,食物繊維を多く含む“茶色い炭水化物”を選ぶことが,
糖質の選び方の一つになります.
血糖値の上がりやすさで糖質を考える
先ほど,食物繊維が食後血糖値の上昇を抑えるとお伝えしました.そのため,ここでは
血糖値の上がりやすさに関して触れていきます.
三大栄養素を血糖値の上がりやすさで見ると,下の図のようになります.
3つの中であると,糖質が最も早く血糖値を上昇させることがわかります.
つまり,エネルギー源として最も早く利用されるということです.
血糖値がすぐに上がる=素早くエネルギーに変換される=効率のいい食べ物
何となく良さそうですが,
実は血糖値が上がりやすいことに関しては一概に良いとは判断できません.
食後に血糖値が急上昇してしまうと,血糖値を下げる役割を持つインスリンが過剰に分泌され,
血糖値が急降下します.
これは「血糖値スパイク」と呼ばれる現象であり,
繰り返し生じることで膵臓(インスリンを分泌する役割を持つ)の働きが悪くなる,
必要以上に血糖値を下げてしまうといったことを生じさせます.
(これは“反応性低血糖症”と呼ばれる.東洋経済ONLINEより)
つまり,糖質の選び方として重要となるのは血糖値の上昇が穏やかな糖質(炭水化物)
を選ぶことであると考えられます.その際,使われる指標として,GI値(Glycemic
Index)やGL値(Glycemic Load)が有効ではないでしょうか.
まとめ
・炭水化物には健康に良いとされるものと悪いとされるものが存在している.
良いとされるものは死亡率を下げるなどの報告がされている.
・健康に良いとされる炭水化物は,“茶色い炭水化物”と表現されており,玄米やそば粉などが代表例である.
・糖質を選ぶ際は,血糖値の上昇が緩やかなものを選ぶことが勧められる.
・キーワードとしては,GI値やGL値が挙げられる.
引用:
・池田義雄 他:Life with Diabetes 糖尿病教室パーフェクトガイド.アメリカ糖尿病協会発行.医歯薬出版
・津川友介 他:世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事.東洋経済.2018年
・VOCEウェブサイト:体調不良につながる「血糖値スパイク」の深刻 疲労感,頭痛などの様々な症状を引き起こす.東洋経済 ONLINE.2018年4月29日
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