はじめに

糖質の選び方で血糖値の上がりやすさがポイントであることをお伝えしました.
では実際に血糖値の上がりやすさはどのようにして判断をすればいいのかをお伝えしていきます.
キーワードはGI値(Glycemic Index)やGL値(Glycemic Load)となります.
まだ前回の記事をご覧になってない人は前回の記事を読んでから今回の記事を読むと理解が深まると思います。
GI値とは?
1981年にカナダのJenkinsらによって提唱された,
糖質を含む食品・食事の“食後血糖上昇能”であり,国際的に標準化されています.
ブドウ糖(グルコース)を基準食品として摂取後2時間に渡る血糖値の上昇度合いを100とし,
ある食品に含まれる炭水化物(糖質)50gの摂取後2時間に渡る血糖値の上昇度合いを比較したものです.
白米はGI値 73,サツマイモはGl値 48とされており,サツマイモの方が
優秀な炭水化物であることがわかります.
GI値の基準として,以下のように分類されています.
56〜69 中 GI
55以下 低 GI
また,Sugiyamaらは白米を基準食品とする場合は,上記の値に1.2乗じた値を用いることを提唱しています.
(高 GI;83以上,中 GI;65〜82,低GI;64以下)
下記にハーバード大学のホームページに紹介されているGI一覧表から抜粋および改変したものを貼っておきます.
GI値を使用する際の問題
GI値に関する有用性は伝わったかと思います.では,このGI値を全て鵜呑みにしてもいいのでしょうか?
その問いの答えは“No!”です.
たとえば“すいか”です.上記の表ではGI値が76と血糖値を上げやすい食品に見えますが,GI値の計算方法を考えると,これはすいかに含まれる炭水化物(糖質)50g摂取した際の値になります.
皆さんもご存知の通り,すいかは水分の含有量が多く,炭水化物の含有量は全体の約7〜9%(Wikipediaより)とそもそも炭水化物の割合が少ない食品となっています.
このGI値で考えるのであれば,すいかを600〜700g程度
摂取しなければなりません.おおよそ1片200g程度とされており,
3片も4片も一気に食べるのは現実的ではないですよね.
つまり,GI値を使用する際の問題は実際に摂取する量を考慮できていないということです.
GI値からGL値へ
GI値は食品・食事が血糖値に与える反応を明らかにした点は有意義でした.
しかし,前述したように実際に摂取する量を考慮できていないといった部分が問題点として挙がりました.
そこで,用いられるようになってきているのはGL値です.
近年,欧米では主流となっているようです.
算出式は,
となります.
GI値のある食品に含まれる炭水化物(糖質)50gといった非現実的な数字からある食品100g中に含まれる炭水化物(糖質)といった現実的な数字が血糖値をどれだけ上昇させるか把握することをGL値は可能にしました.
GI値とGL値を先ほどのスイカの例で見てみると,GI値は76,GL値は4となり,一見すいかは血糖値を上げやすい食品に見えますが,実はそうでもなかったことがわかります.
すいかはほとんどが水分ですもんね.
GL値の基準は以下の通りになります.
11〜19 やや注意
10以下 問題なし
GI値を確認し,食品成分表示から食品100g中の炭水化物(糖質)の割合を算出し,
上記の算出式へ代入すれば確認できますね.
最後に,コンビニお菓子を買いに行った時にキャラメルとチョコレートどちらを買うか迷った際,
このGL値で考えると圧倒的にチョコレートがオススメです
(GL値;キャラメル 67,チョコレート 14).
ぜひ,ご参考までに.
まとめ
・優秀な炭水化物を選ぶ際のポイントは,GI値とGL値
・GI値は実際の食事を考えると非現実的な数字であるため,GL値を用いることが勧められている
・炭水化物(糖質)の量および種類(質)を見極めることは食生活を考える際に重要である
引用:
・Jenkins DJA et al. : Glycemic index of foods: a physiological basis for carbohydrate
exchange. Am J Clin Nutr. 1981 ; 34: 362-366
・Sugiyama M et al. : Glycemic index of single and mixed meal foods among common
Japanese foods with white rice as a reference food. J Clin Nutr. 2003 ; 57: 743-752
コメント
[…] 炭水化物を選ぶポイントはじめに RYUKI 糖質の選び方で血糖値の上がりやす… […]