運動後のケアでは
何が効果的かを理解できます.
Contents
はじめに
筋肉痛とは,
本ブログでも以前挙げたように
遅発性筋痛のことです.
誰しもが経験したことが
あるのではないでしょうか?
皆さん,
運動後のケアって
どのようなことをしていますか?
お風呂で揉む,冷やす,
湿布を貼るといったものが
多いでしょうか?

本記事では,
システマティックレビューにより,
効果的と判断された
運動後のケアを
紹介していきます.
システマティックレビューとは,
ランダム化比較試験(RCT)などの
質の高い複数の臨床研究を
複数の専門家や研究者が作成者となって,
一定の基準と一定の方法をに基づいて
とりまとめた総説のことです.
(日本理学療法士学会ホームページ引用)
学会ホームページ
論文
題名:
An Evidence-Based Approach for Choosing Post-exercise Recovery Techniques to Reduce Markers of Muscle Damage, Soreness, Fatigue, and Inflammation: A Systematic Review With Meta-Analysis
概要:
運動後の筋肉痛と主観的疲労感
に対するケアの効果を検証する.
対象:
3つのデータベース(PubMed,
Embase,Web-of-Science)において
いくつかのキーワードで論文
(RCT,クロスオーバーデザイン,
反復測定デザイン)を検索し,
PRISMA声明により選別された
論文99件
こちらも
日本理学療法学会ホームページが
わかりやすくまとめていました.
簡単に言うと,
システマティックレビューを行う上での
国際的なルールのようなものです.
学会ホームページ
方法:
アクティブリカバリー
軽い運動を行うことにより,
血流を促進させること.
血中乳酸の除去や
アシドーシスの軽減を
助け疲労を回復させると
言われています.
ストレッチ
マッサージ
電気刺激
Compression Garment(コンプレッションウェア)
着圧ウェアみたいなものですね.
身体に圧をかけることによって,
血流を促進します.
いわゆる
物理療法であるメドマーですね.
Contrast Water Therapy(交代浴)
冷たい水風呂と熱い風呂を
交互に入る入浴方法です.
クライオセラピー
寒冷療法と呼ばれます.
身体を冷やして
回復を促進する方法です.
WBC;Whole Body Cryotherapy
(全身冷却療法),
CWI;Cold Water Immersion
(冷水浴),アイシングなど
様々なものが存在します.
この論文ではWBCとされていました.
Immersion(水浴)
寒冷療法の1つですね.
この論文では
“The effect of cold water immersion
(CWI) on DOMS and perceived fatigue
was significant,〜”
との表記があり,
詳細な明記がないため
局所的な寒冷療法であり,
冷水浴と解釈しました.
ちなみに
Immersionとは,
浸漬/浸かると言う和訳です.
指標
⑴Creatine Kinase(クレアチンキナーゼ)
⑵IL 6(インターロイキン6)
⑶CRP;C-Reactive protein(C反応性タンパク)
結果:
DOMS(遅発性筋痛)への効果:
効果を示したのは,
アクティブリカバリー,マッサージ,
コンプレッションウェア,水浴でした.
運動直後(6時間以内)は
アクティブリカバリー
運動後6〜48時間では
マッサージ
が最も有効でした.
運動後48時間以降は
コンプレッションウェアと水浴が
効果を示したとのことです.
主観的疲労度への効果:
効果を示したのは,
マッサージと水浴でした.
運動後6〜24時間では
マッサージ
が最も有効でした.
なお,
アクティブリカバリーの効果は
見られませんでした.
ちなみに,
マッサージとストレッチを
組み合わせた場合の
効果も検証されており,
実は主観的疲労度に
最も有効としていました.
結局どうしたらいいの?
主観的な要素も多いため,
確実ではありませんが,
僕たちの見解では、運動直後はクールダウンとして
軽い運動(アクティブリカバリー)を行い,
その日の夜に
マッサージとストレッチを行うことが
運動後のケアとして
行ってもよいのではないかと思います。
ぜひお試ししてみてはいかがでしょうか?
まとめ
マッサージ&ストレッチが
効果的であることがわかった.
・個人差もあるため,
具体的な方法に関しては
試行錯誤する必要がある.
・まだ不明瞭な部分も多い.
引用:
・Dupuy O , et al. : An Evidence-Based Approach for Choosing
Post-exercise Recovery Techniques to Reduce Markers of Muscle Damage,
Soreness, Fatigue, and Inflammation: A Systematic Review With Meta-Analysis.
Frontiers in Physiology. 2018 ; 9 : 403
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