この記事を読むと,
脂肪燃焼のメカニズムを理解する上で
必要な知識(脂肪の正体)を理解できます.
Contents
はじめに
脂肪燃焼と聞くと
”ダイエット”
を連想する方が多いかと思います.
では,
実際にはその脂肪燃焼とは
どのような仕組みで起こっているのでしょうか?
そもそも脂肪って悪者にされがちですが,
本当に悪者なんでしょうか?

結論から言うと,
脂肪は決して悪者ではなく,
生きるためにとても重要なものです.
なので,ダイエットを理由に
脂肪を全く取らない選択肢は
ないと思います.
脂肪とは
厚労省のe-ヘルスネットによると,
脂肪(脂質)とは,炭水化物,タンパク質と
並ぶ三大栄養素の1つであり,
体内でエネルギー源や細胞膜を構成する成分,
生理活性物質として働くとされています.
生体内に存在する脂質は,
・遊離脂肪酸(Free Fatty Acid:FFA)
・中性脂肪(トリグリセリド:TG)
・リン脂質
・エステル型コレステロール
・遊離型コレステロール
とされています.
アルブミンなどの他の物質と結合,
合成,遊離することにより
上記のように形を変えると言われています.
ちなみに,
脂肪酸とアルブミンが結合することで
遊離脂肪酸となります.
上2つはエネルギー源,
下3つは細胞膜やホルモンの材料
とざっくり役割を分けることができそうです.
エネルギー源としての脂肪
前回の記事でも紹介したように,
ヒトのエネルギー源で
重要になるのは糖(グルコース)かと思います.
生活する上で必要不可欠です.
この糖(グルコース)が枯渇している状態で
筋トレを行うと筋肉を分解したり,
脂肪を分解したりしてエネルギーを
生み出すとされています.
ここでは,
脂肪を活用したエネルギー生成についてです.
皮下脂肪や内臓脂肪に存在する中性脂肪は
リパーゼと呼ばれる酵素により,
遊離脂肪酸とグリセロールに分解されます.
遊離脂肪酸は,
血中に放出され,そのまま筋肉へ
グリセロールは,
肝臓へ運ばれた後,
グルコースに変換されて筋肉へ
それぞれ運ばれ
エネルギーとして活用されます.
(改変引用:病気がみえるvol.3
糖尿病・代謝・内分泌 第2版)
糖質代謝と脂質代謝はどのように使い分けられる?
糖が枯渇している時
糖の方がエネルギーへの
変換効率が良いとされており,
基本的には糖質代謝が使われます.
しかし,
体内の糖が消費し尽くされた状態で
運動を続けると脂質代謝が
使われるようになります.
低強度〜中等度運動強度での運動時
中等度運動強度以下
(最大酸素摂取量50〜60%以下)での
運動で脂質代謝が使われます.
それ以上の強度では,
糖質代謝が使われます.(解糖系)
下記に
低強度〜中等度運動強度での
運動時の代謝メカニズムを載せます.
(引用改変:吉尾ら 他:
標準運動療法学
運動療法学 総論 第3版.医学書院)
※普段の生活場面において,
糖質代謝も脂質代謝も使われています.
脂肪はエネルギーの貯蔵庫
脂肪は,
1gあたり9kcalのエネルギーを,
糖は,
1gあたり4kcalのエネルギーを
生み出します.
同じ量でも多くのエネルギーを
生み出すことができます.
脂肪はエネルギーの貯蔵庫と
いうわけですね.
まとめ
・脂肪の種類を紹介した.
・脂肪は悪者にされがちであるが,
運動時のエネルギー源や細胞膜,
ホルモンの材料になるため
ヒトには必要不可欠なものである.
・脂肪は,エネルギーを多く含んでおり,
エネルギーの貯蔵庫である.
引用:
・吉尾雅春 他:標準理学療法学 運動療法学 総論 第3版.医学書院
・厚生労働省 e-ヘルスネット
・病気がみえるvol.3 糖尿病・代謝・内分泌 第2版.MEDIC MEDIA
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