この記事を読むと,
脂肪燃焼のメカニズムを理解する上で
必要な知識(コレステロールの正体)を
理解できます.
Contents
はじめに

生体内に存在する脂質は,
・遊離脂肪酸(Free Fatty Acid:FFA)
・中性脂肪(トリグリセリド:TG)
・リン脂質
・エステル型コレステロール
・遊離型コレステロール
と紹介しました.
前回は主に上2つを紹介したので,
今回は下3つを主に紹介していきます.
リン脂質とは
細胞の生体膜の構成成分と
されています.
コレステロールとは
特徴を箇条書きします.
・エステル型,遊離型が存在する.
・主に肝臓で合成される.
・生体膜の構成成分(細胞膜や血管壁)や
ステロイドホルモンの原料となっている.
・胆汁の原料にもなっている.
ステロイドホルモンとは,
副腎皮質ホルモンや性ホルモンのことです.
アルドステロン,コルチゾール,
テストステロン,エストロゲンなどです.
あまり馴染みないですよね笑
コルチゾールの作用は,以下の通りです.
・各代謝(糖質,タンパク質,脂質)に
関する調節作用
・免疫調節作用
・水/電解質/血圧の調節作用
・骨代謝に対する作用
・精神/神経系に対する作用
およびストレス応答ホルモン
としての作用
脱線しそうなので,
このあたりでやめておきます.
伝えたいことは,
コレステロールが
生命維持に欠かせない存在
ということです.
ちなみに,
血液検査で出される
「総コレステロール」は
エステル型と遊離型を
合わせたものになります.
悪玉コレステロールと善玉コレステロール
多くの脂質(中性脂肪や
エステル型コレステロール)は
水に溶けません.
血液中に放出され運ばれるためには,
水に溶けやすい脂質(リン脂質や
遊離型コレステロール)で
包むことにより血中に
溶け込めるようにします.
包むことによりできた脂質は
リポ蛋白と呼ばれます.
そして,
このリポ蛋白の中に
悪玉コレステロールや
善玉コレステロールなどが
存在します.
リポ蛋白の種類は
中性脂肪とコレステロールの割合に
よって分けられます.
5種類存在します.
カイロミクロン(Chylomicron:CM)
・中性脂肪が約8割を占める.
・食事により摂取した脂質を
遊離脂肪酸の形で抹消組織に
供給する.
LDL:Low Density Lipoprotein
これが悪玉コレステロールです.
・抹消組織にコレステロールを供給する.
増加して変性すると動脈壁に蓄積します.
いわゆる,動脈硬化を促進します.
HDL:High Density Lipoprotein
これが善玉コレステロールです.
・構成成分の約半分がアポ蛋白である.
・抹消組織から過剰なコレステロールを
回収し,再分配する.
悪玉コレステロールの反対で
動脈硬化を抑制します.
コレステロールは
全てが悪者という訳ではないということですね.
ほか(2種類)
名前だけ紹介します.
VLDL:Very Low Density Lipoprotein
と
IDL:Intermediate Density Lipoprotein
です.
まとめ
・脂肪を細胞膜やホルモンの材料の観点で
まとめた.
・前記事の記事とも合わせて,
脂質がヒトには必要不可欠であることが
わかった.
・脂肪は悪者ではない.
引用:
・病気がみえるvol.3 糖尿病・代謝・内分泌 第2版.MEDIC MEDIA
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