この記事を読むと,
脂肪燃焼に向けた運動の
考え方が理解できます.

脂肪が,
悪者でなく必要不可欠であること
や筋肉に変わることがないこと,
そして,
身体を動かす際の
エネルギー源となることを
脂肪燃焼のメカニズム(1)〜(4)で
取りあげてきました.
では実際にどのような運動を
行なっていくとよいのでしょうか?
はじめに
「無駄なく運動して痩せたい!」
「有酸素運動だけやればいいの?」
「運動はどれくらいやればいいの?」 など
一度は
考えたことがあるのではないでしょうか?

この記事では,
それらを考える上で
ヒントになるであろう
運動の種類と運動量
(負荷量設定や時間)に
関して紹介していきます.
脂肪燃焼といえば,有酸素運動ってホント?
「脂肪燃焼といえば,有酸素運動」
何となく聞いたことがあると思います.
これはその通りかと思います.
以前挙げた
無酸素系
(下記,”ATP-Pcr系/解糖系)
と
有酸素系
(下記,“酸化系”)
が存在することを紹介しました.
注目は,
酸化系でのみ遊離脂肪酸(FFA)から
のエネルギー産生が存在する部分です.
無酸素系では
脂肪に関わることがないと
考えられるため,
「脂肪燃焼といえば,有酸素運動」
は間違いないのではないかと思います.
代表的な有酸素運動
有酸素運動として代表的なものは,
ジョギング,エアロバイク,
水泳,階段での足踏みかと思います.
負荷量の設定
では,
どれくらいの負荷をかければ
よいのでしょうか?
キーワードは
「中等度運動強度以下」
です.
具体的には
「最大酸素摂取量の50〜60%以下」
です.
そして,そこで活用するのが
「カルボーネン法」
と呼ばれる負荷量設定方法です.
これは,
運動中の心拍数から設定する
方法であり,
目標心拍数=
{(220 – 年齢) – 安静時心拍数}
× 0.5〜0.6 + 安静時心拍数
の式で求めることができます.
手順1)
年齢を各自代入してもらい,
手順2)
安静時心拍数は
運動をしていない時の
脈拍を測り,
その値を代入します.
手順3)
あとは,
目標心拍数を目処に運動を
継続していきます.
ジムなどにあるランニングマシンなどは,
運動中の心拍数の計測ができるので
積極的に活用しましょう.
もしくは,
スマートウォッチなどの
ウェアラブル機器の使用も
効果的かと思います.

なお,
ウェアラブル機器は
様々な種類のものが
販売されています.
興味のある方ぜひ検索を!
安静時心拍数は
血圧計などの計測機器のお持ちの方は
そこで得られる数字を,
お持ちでない方は
ご自身で手首の動脈を触れて数字を
求めてもらえればと思います.
手首の動脈に関しては以下をご参照ください.

20分以上の連続した運動は必要?
「20分以上の連続した運動を継続しないといけない」
実はこれ,
連続した運動でなくてもいいんです.
厚労省e-ヘルスネットからの
引用になりますが,
30分連続で運動した群
と
10分を3回に分けて運動した群
で
内臓脂肪減少の効果を比較した所,
統計学的に有意な差がなかった
とのことでした.
つまり,
20分以上の連続した運動は必要ではなく
短時間(10分程度)の運動を小分けにすることで
内臓脂肪の減少が期待できそうです.

通勤時間などの
スキマ時間の有効活用で
効率的な脂肪燃焼に
繋げることができそうですね.
まとめ
・有酸素運動には
ジョギング,エアロバイク,水泳などが
存在する.
・中等度運動強度以下の運動強度,
いわゆる,
「目標心拍数=
{(220 – 年齢) – 安静時心拍数}
× 0.5〜0.6 + 安静時心拍数」
を用いて負荷量を決める.
・運動時間は10分程度の短時間を
小分けにしても効果が得られる
可能性がある.
・時間をなかなか作れない方でも
移動時間などを活用すれば
効率よく脂肪燃焼できるはず!
引用:
・厚生労働省 e-ヘルスネット[情報提供]
・市橋則明 他:運動療法学
障害別アプローチの理論と実際 第2版.文光堂
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