タバタトレーニングに関して
概要を理解できます.
はじめに

フィットネスや健康などを
キーワードとしたブームが
起きている中で運動を
始めようとしている,もしくは
始めた人が沢山いるのでは
ないでしょうか?
スポーツ庁の調査(平成29年)において,
約8割近くの人が運動不足を感じていると
報告しています.
しかし,厚労省の
「平成29年国民健康・栄養調査結果の
概要」において,20歳以上の方を対象とした
運動習慣のある人
(1回30分以上の運動を週2回以上実施し,
1年以上継続している者)の割合は,
男性35.9%,女性28.6%と報告されています.
つまり,多くの方が運動不足を感じていますが,
運動を習慣化できていない方が多いという結果と
なっています.
運動が行えていない方に必見の運動として,
特にここ数年で注目を集めている
タバタトレーニング(HIIT)を紹介していきます.

ちなみに,
PubMed
(世界の主要な医学系雑誌に
掲載された論文の書誌情報を
調べることができるデータベース)
における2019年10月までの
論文件数の推移は以下のように
なっています.
ここ数年で論文が増加していることが
わかります.
タバタトレーニング
HIITは「ヒットあるいはヒート」と呼ばれ,
High-Intensity=高強度の負荷で,
Interval=運動と休息を短い間隔で行う,
Training=運動のことです.
そして,タバタトレーニングは
この運動方法により作られた運動メニューの
1つと解釈ができそうです.
実はこれ,日本人が発明したメニューです
その日本人がきっかけで
世界的にHIITが広まったと言われています.
その日本人は立命館大学の田畑泉教授です.
そう,田畑教授が発明されたため,
タバタトレーニングと呼ばれているのかと
思います.長野オリンピックで金メダルを
取ったスピードスケートの清水宏保選手が
練習に取り入れていたみたいです.
どのような運動?効果は?
最大酸素摂取量の170%の高強度で,
20秒間の運動と10秒間の休息を
1setとして,それを繰り返して
計8set行う運動メニューとされています.
高強度の運動を休息を挟みながら
繰り返して疲労困憊まで追い込むことを
目的に行います.
高強度の運動により
過負荷の原則を実現できるため筋力増強を望め,
短い休息時間を挟むことにより
純粋な筋力増強(無酸素運動)にはならず,
有酸素運動となるとされています.
つまり,
無酸素運動による筋力増強の効果と
短い休息時間における酸素供給によって
有酸素運動の効果の双方が期待できます.

ちなみに,
今回は触れませんが,
筋力増強,ダイエット,
心肺機能向上,
糖尿病予防など
数々の効果が
報告されています.
タバタトレーニングはアスリート向け?
負荷量を最大酸素摂取量の170%とすると
一般の方(特に筋トレ初心者)では負荷が
高すぎます.
むしろ,実施できないような気がします.
ではどうするか?
まず,このブログの
でも紹介したように,最大酸素摂取量は
気軽に計測できるものではないため,
心拍数(カルボーネン法)を
用いて考えてみます.
有酸素運動の運動強度(負荷量)の決め方として,
カルボーネン法で40〜60%としていました.
つまり,その運動強度では純粋な有酸素運動と
なるため,60%以上の運動強度で行う必要が
あると考えられます.
そして,上限を170%として主観的に
自身の限界(ややきつく感じる)の
運動強度で上記set
(20秒間の運動と10秒間の休息×8set)を
行うことがいいと考えます.
何よりも,
タバタトレーニングを始めとした
“HIITは極限まで負荷をかけなくても
よいと捉えることが重要”と思います.
それは運動と休息を繰り返すことで
疲労困憊まで追い込むことがポイントと
考えているためです.
まとめ
・タバタトレーニングを紹介した.
・タバタトレーニングは,HIITの1つである.
・運動と休息を短時間で繰り返すことで
筋力増強だけでなく,有酸素運動の効果が
期待できる.
・4分間で行えるトレーニングのため,
時間のない方でも継続できる運動になると
考えられる.
引用:
・田畑泉:高強度運動トレーニング
−タバタトレーニングについて−.
臨床スポーツ医学.2016.33(8):802-803
・Tabata I ,et al: Effects of moderate
intensity-endurance and high
intensity-intermittent training on
anaerobic capacity and Vo2max.
Med Sci Sports Exerc.1996,28:1327-1330
・内閣府スポーツ庁:
平成29年11-12月調査
スポーツの実施状況に関する世論調査
・厚生労働省:
平成29年国民健康・栄養調査結果の概要
コメント