腕立て伏せの姿勢を変えるだけで肩まわりの筋活動が変わる!?

論文レビュー

本記事を読めば、

腕立て伏せの応用方法を

学ぶことができます。

 

RYUKI
RYUKI

みなさん、

Stay Home期間は

いかがお過ごしでしたか?

 

緊急事態宣言が解除され、

徐々に日常が戻りつつありますが、

気を緩めずに

感染対策を欠かさず行いましょう!

 

はじめに

さて、

今回は腕立て伏せに関する

論文レビューになります。

 

なお、

腕立て伏せと言っても

応用的なものかと思います。

 

しかし、

知っておくと腕立て伏せのバリエーションを

増やすことができると思うので

ご紹介していきます。

 

論文

題名:

The effect of leg angle

during push-up plus exercise

on shoulder stabilization muscle activity.

 

概要:

腕立て伏せ運動時の脚の角度の違いが

肩関節周囲筋に及ぼす影響を調査しました。

 

対象:

健常男性(大学生) 15名

 ・ 年齢 22.0 ± 2.0歳

 ・ 身長 174.0 ± 4.2cm

 ・ 体重 64.1 ± 7.7 kg

 

方法:

運動

3条件で腕立て伏せ姿勢の保持を

10秒間×3setずつ行いました。

 

特記事項は、

肘を完全に伸ばした状態で腕は

床面に対して垂直位として

手幅は肩幅でした。

また、姿勢の保持時は、

肩関節、股関節、膝関節、足関節を

一直線にしました。

 

脚角度の3条件

(脚角度:床面の垂線と殿部と外くるぶしを結ぶ線でできる角度)

 70°/  90°/  110°

計測したもの

前鋸筋 / 僧帽筋上部 / 大胸筋 の%MVC

 

RYUKI
RYUKI

%MVCとは、

いわゆる、最大筋力に対して

発揮された筋活動の

割合のことです。

解析方法

3つの筋活動を

それぞれ3条件で比較した。

 

統計処理

反復測定一元配置分散分析

(One-way repeated measures analysis of variance)

を行い、

Bonferroniの補正を行いました。

 

結果

僧帽筋上部大胸筋は、

3条件の筋活動に

統計学的な有意な差は

みられませんでしたが、

 

前鋸筋は、

110°で統計学的に有意に

大きな筋活動がみられました。

 

示唆できること

脚角度が大きい場合、

つまり、

脚を少し挙げた状態での

腕立て伏せ姿勢は前鋸筋の活動を

増加させることがわかりました。

 

“一般的に、

前鋸筋が弱まると、僧帽筋上部が活性化して

腕を挙げることが困難になるとされています。”

つまり、

今回紹介した腕立て伏せの応用は

その前鋸筋が弱くなった人にとって

効果的な運動になる可能性が

あると考えられます。

 

しかし、注意点があります。

腕を挙げられないという現象の原因は

前鋸筋以外にも姿勢の影響なども

含めて様々考えられます。

 

そのため、

この運動をすれば

腕が挙がる様になる訳でないことは

しっかりと押さえておいてもらいたいです。

 

 

RYUKI
RYUKI

背筋を伸ばした状態

猫背の状態

腕を挙げてみましょう!

 

姿勢が変わるだけで

変わりますよね?

 

「腕立て伏せを応用させると

前鋸筋の活動を促しやすい」

 

これが、

今回の論文から

示唆できることではないでしょうか?

 

RYUKI
RYUKI

ちなみに、

負荷量は保持時間を長くすれば

高負荷になりそうですね。

あと、腰痛持ちの方は

気を付けてください。

代償で腰部に力が

入りそうなので、、、

まとめ

・腕立て伏せ時の脚の角度の違いが

肩関節周囲筋の活動に及ぼう影響を

調査する論文を紹介した。

・脚を上に挙げた状態で

 腕立て伏せ姿勢保持では

 前鋸筋の活動が活発になることがわかった。

・腕立て伏せ運動の

 応用方法の1つとして

 使えると考えられる。

引用:

Lee S , Kim J : The effect of leg angle during push-up plus exercise on shoulder stabilization muscle activity.J Physical There Sci,2019,31:33-35

コメント

  1. 浩司 より:

    「腕立て 幅」で検索してて辿り着きました。
    論文の和訳、非常に参考にさせて頂いています!

    腕立てを手幅広め+デクラインで行うと、大胸筋上部より脇の下?辺りの筋肉が強く反応するなと感じていました。
    前鋸筋が活動していたのですね。

    手押し車なんて凄く前鋸筋に効くのではないかと思いました。
    確か井上尚弥選手も手押し車をやっているのをテレビで拝見したことがあります。
    昔からあるトレーニングも理に叶っているのかなと。

    プッシュアップバーについてのご意見あれば知りたいです。

    • anatomyfitanatomyfit より:

      浩司さん、
      初めまして。コメントいただきありがとうございます。
      少しでもお役立てていれば幸いです。
      コメントでありますように日頃感じていることと知識(学術的な内容)が結びつくことで効率的なトレーニングやケガ予防につながると良いなと日々思っています。
      今後も気になる点などをぜひコメントいただけますと幸いです。

      さて、プッシュアップバーに関して、完全に私見となりますが述べさせていただきます。
      しっかりと身体を下ろすことができるようになるため、大胸筋などがしっかりとストレッチがかかり効率的に負荷が掛けられる点、かつ、手首への負担を軽減できる点で非常に効果的な道具かと思っています。

      参考までに留めていただきたいですが、回答になっていますでしょうか?
      今後、プッシュアップバーに関する記事も取り上げていきたいと思います。

      Anatomy管理者