この記事を読むと、
肩関節を痛めずにサイドレイズをするための
必要な知識を身につけることができます。
はじめに
サイドレイズ(Wikepedia)といえば、
三角筋を鍛える代表的な方法かと思います。
ちなみに、
三角筋に関しては以前、記事で紹介しています。
さらに、
サイドレイズの注意点に関しても少し紹介しています。
気になる方はどうぞ!!
さて、
今回はインピンジメントの観点から
サイドレイズのケガ予防を考えていきたいと思います。
ずばり、ケガ予防のためには!?
手の向きがポイントと考えます。
サイドレイスを行う際に手の向きが
どのようになっているでしょうか?
小指を上に向けたりしていませんか?
その場合、
インピンジメントを起こし、
肩の痛みにつながる可能性があります。
そのため、
サイドレイズは、
小指を天井に向けた状態で
腕を挙げないこと
をオススメします。
腕を上げる際の肩関節の動き
では、
なぜ小指を天井に向けない方がよいのでしょうか?
それは、腕を挙げていく際の肩関節の動き
(正確には上腕骨と肩甲骨の関係)から
説明できます。
冒頭でも述べたように、
キーワードは
インピンジメント
になります。
インピンジメントとは
「衝突」といった意味であり、
肩関節を動かす際に、
関節付近で他の骨や筋肉との衝突が
生じることによって、
組織の損傷が起こって痛みが生じる
と言われています。
(出典元:社会福祉法人 仁生社 江戸川病院ホームページ)
*参考文献と共にわかりやすく記載されていたので参照させていただきました。
肩峰下インピンジメントと大結節の通り道
インピンジメント症候群には、
①肩峰下インピンジメント
②烏口下インピンジメント
③インターナル(後下方)インピンジメント
④プーリーリージョン(前上方)インピンジメント
が存在していますが、
今回は
「肩峰下インピンジメント」
の話になります。
ちなみに、
肩峰下インピンジメント症候群の定義は、
以下の通りです。
上肢の挙上に際し肩峰と烏口肩峰靭帯からなる
Coraco-Acromial arch(C-A arch)や
肩鎖関節下面などの天蓋と、
腱板や肩峰下滑液包との衝突(インピンジメント)により
疼痛が生じる病態の総称。
(出典元:林典雄ら 「関節機能解剖学に基づく 整形外科運動療法ナビゲーション 上肢・体幹」)
肩峰下インピンジメントの評価方法は、
○Painful arc sign(有痛弧兆候)
○Neer’s Test
○Hawkins-Kennedy Test など
いくつか挙げられますが、
腕を挙げる運動をした際に、
上腕骨の部位である
「大結節」の通り道
を解剖学、運動学的に
理解しておくことが重要です。
療法士でない方も
少しでも理解しておくと、
ケガの予防ができるかも
しれません。
具体的には、
腕を挙げる際の手の向きの
注意点を把握できます。
上の図は、肩関節に関して勉強をしてると
よく出てくる図(引用改変)です。
腕を挙げる運動に伴い
大結節は「P」の位置に収まることが
正常な関節運動と言われており、
「P」に至るまでに通過する経路が
大きく3種類存在します。
サイドレイズの動きである
肩関節外転運動では
「E→P(後外側路)」
を通ります。
ここで、
肩関節を内旋した状態
(ざっくり言うと小指を天井に向けた状態)で
腕を挙げる動きの場合、
「I→P(前方路)」
を通ることになります。
その場合、
烏口突起と呼ばれる部分と大結節が
インピンジメント(衝突)を起こしやすくなり、
肩の痛みを誘発する可能性が高まると考えます。
大結節はどこ?
上の図で大結節の場所を示していますが、
実際は図のように骨だけの状態ではないため、
大結節の位置と言われても
普段から触診に慣れている療法士でない限り
わかりにくいですよね。
そのため、
ざっくりと大結節を位置を紹介し、
今回の記事を終えようと思います。
上の写真のように、
手のひらを前方に向けた状態
(解剖学的肢位)で
肘の外側
(≒上腕骨外側上顆)から
上に腕をたどった際に
最初に見つかる隆起が
大結節とされています。
(ざっくりですが、、、)
ちなみに、
大結節の高さは
烏口突起の高さと
同じと言われています。
まとめ
・インピンジメント、大結節の通り道に関してご紹介した。
・サイドレイズを行う際は小指を天井に向けた状態で
腕を挙げない方がケガのリスクが少ないと考えられる。
※あくまでも仮説であることをご容赦いただきたいです。
引用
・赤羽根良和 他:肩関節拘縮の評価と運動療法.運動と医学の出版社
・林典雄 他:関節機能解剖学に基づく 整形外科運動療法ナビゲーション 上肢・体幹.メジカルビュー社
・社会福祉法人 仁生社 江戸川病院ホームページ
・千葉慎一:肩関節障害のスタンダードテクニック─機能と評価について─.理学療法学.第43巻1号;2016
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