この記事を読めば、
有酸素運動を行う時間や頻度のざっくりとした決め方がわかります。
これまでMETsに関する記事をいくつか取り上げてきました。
今回もそのMETsを使って、有酸素運動に取り組む頻度の考え方をご紹介します。
結論は?
ずばり、
ウォーキングの場合、
30分を週に3回行うこと
で体力向上のための最低限必要な運動になるかと思います。
それでは、
METsを使って根拠を考えていきます。
1週間に23METs・時以上の身体活動が必要?
生活習慣病などを予防し、
健康寿命の延伸などを目標とする
21世紀における国民健康づくり運動
「健康日本21」を厚労省が提唱しています。
また、
「健康日本21」を推進するために
「健康づくりのための身体活動基準2013(*1/*2)」を策定しています。
*1:身体活動とは、生活活動と運動に分かれる。生活活動は、家事はもちろん、労働なども含まれる。
*2:「健康づくりのための運動基準2006」を改訂したもの。
そして、
健康維持のために
1週間に3METs以上の身体活動を
23METs・時行うこと
を提唱しています。
3METsとなると、
どのような運動かというとウォーキングになります。
単純計算で、
1日1時間ウォーキングをするとしても、3METs×7時間=21METs・時というように考えることができます。
ただこれに関しては、
身体活動の量であるため、
お仕事をされている方にとっては仕事内容との兼ね合いも踏まえる必要があるかと思います。
具体的に考えると、デスクワークの方にとっては少しきびしい数字になりますね。
ちなみに少し速めのウォーキング(5.1km/h程度)となると、3.5METsになるので、24.5METs・時で提唱されている条件を達成することになります。
なお、軽めのエルゴメータ(30〜50ワット)でも3.5METsです。
なぜ23METs・時?
厚労省の資料を確認すると、
日本人を対象とした論文に限った結果では、生活習慣病等及び生活機能低下のリスクの低減効果が示されるのは22.5メッツ・時/週より多い者であったため
と記載されていました。
23METs・時をどのように達成する?
厚労省の提言としては、
身体活動量は個人差が多いため、
客観的な数字としての数値目標として、
例えば、今より毎日10 分ずつ長く歩くようにする
と表現されています。
これは、
「+10(プラステン)」と呼ばれ、
“アクティブガイド-健康づくりのための身体活動指針-”に
パンフレットが作成されています。
介護予防事業に携わった方は聞いたことがあるワードかもしれませんね。
また
運動に関しても提言があり、
体力(全身持久力や筋力等)の向上や運動器の機能向上のためには、4メッツ・時/週に相当する1回あたり30分以上、週2日以上の運動が最低限必要である
と記載があります。
“4メッツ ・時/週”、
つまり、
“4METs×1時間/週”
になりますね。
実施頻度はどうする?
4METs×1時間/週を達成しようと思うと、
1週間のうち、
・1日だけで4METsの運動を1時間行い達成する
(4METs×1時間)
・2日で4METsの運動を30分/日行い達成する
((4METs×0.5時間)+(4METs×0.5時間))
・3日で3METsの運動を30分/日行い達成する
((3METs×0.5時間)+(3METs×0.5時間)+(3METs×0.5時間))
などのように考えていくのではないでしょうか?
つまり、
ウォーキングで考えると、
1日30分程度で週に3日行えれば、
まずはよいのではないでしょうか?
詳細には、生活スタイルや体重、食生活が個々で異なるため、あくまでもざっくりとした考え方として理解してもらえればと思います。
ダイエットなどを考えると、カロリーの計算などを考える必要もありますもんね。
なお、
厚労省の行う「国民健康・栄養調査」では
運動習慣のある者の定義として、
1週間のうち
2日以上30分以上の運動を1年間継続している者とされています。
まとめ
・METsの概念を用いて、運動習慣のざっくりとした考え方を紹介した。
・日常生活ではまず「今よりも毎日10分ずつ長く歩くこと」が意識することが運動習慣を作る一歩かもしれない。
・体力向上などを目的とした場合、1週間あたり30分以上の運動を2回以上行うことが推奨されている。
・各々で生活スタイルなども異なるため、あくまでもざっくりとした考え方であることをご理解してもらいたい。
引用
・厚生労働省ホームページ
・健康日本21ホームページ
・厚生労働省.健康づくりのための運動基準 2006〜身体活動・運動・体力〜
・厚生労働省.健康づくりのための身体活動基準 2013
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